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Columnコラム

池谷先生に聞く
朝ジュース生活のすすめ
#2
血管力が向上する食習慣でメタボ改善、若返り解説・監修:池谷 敏郎(医学博士)
撮影・編集:山田 真弓

血管力を上げることは、脳卒中や心筋梗塞などの「血管事故」を防ぐだけでなく、認知症やガンの発症リスクを下げることにも役立つ可能性があります。また、体のすみずみの細胞への酸素と栄養の安定供給を支えて各臓器の機能を正常に維持し、免疫力を高めるともに肌のコンディションを良好に保つことにもつながります。

そこで、“血管を鍛えると「超」健康になる!と唱える医師、池谷敏郎先生に、血管力を上げるメリットと、そのノウハウについて、解説してもらいました。

前編では血管力の重要性について、後編では、血管を強くする食事法について、池谷先生が毎日の習慣としている朝ジュースを交えてご紹介します。

「朝ジュース」で、血管力低下を招く“メタボリックシンドローム”を解消!

動脈硬化を進める主な要因は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病です。そして、内臓脂肪の蓄積を背景にして、これらの生活習慣病を複数併せ持つメタボリックシンドロームは、動脈硬化の最大のリスクファクターなのです。したがって、血管年齢を若返らせるためには、内臓脂肪を減らして“脱メタボ”を実践することが王道といえるのです。

かつて私自身もそうであったように、お腹ポッコリ体系のメタボの人では、主に糖質ないしは炭水化物(糖質+食物繊維)の過剰摂取の傾向が目立ちます。過剰な糖質は、血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンの働きによって、内臓脂肪となって蓄積されます。もちろん、糖質よりもカロリーの高い脂質を取り過ぎても内臓脂肪の蓄積につながりますから、同じようにその摂取量には注意を要します。

しかし、糖質ないしは炭水化物、さらに脂質まで制限するとなるとかなりの我慢が必要となり、ストレスを感じて長くは続けられないでしょう。

そこで、最も簡単で厳しさ半分の「池谷式ゆる糖質オフ」ダイエット法を試してみていただきたいのです。そのポイントは、「プチ糖質オフ」と「朝ジュース」。

詳細は、『15日間でお腹が凹んでリバウンドなし 名医のお腹やせ』(KADOKAWA)をご参照ください。

『15日間でお腹が凹んでリバウンドなし 名医のお腹やせ』

朝食は人参&りんごのジュース、シリアル&ヨーグルトで軽く済ませる。昼はコンビニの食材を組み合わせて「プチ糖質オフ」の美味しい食事。夜は、妻の栄養バランスのとれた手作り料理を適量のお酒とともに。これが、Dr.池谷の毎日の食生活です。

糖質を減らすには、主食のご飯やパンを制限するのが一番手っ取り早く確実です。目分量でかいませんから、とりあえず「半分」にしましょう。ご飯ならお茶碗に半量盛りにする。目で見て寂しいようならお茶碗の方を小さくする。トーストなら2枚を1枚。麺類も半分。

朝食のメインは、人参中1本とりんご1/4個をスロージューサーで絞り、レモン汁少々とエキストラバージンオリーブオイル小さじ1杯を加えた特製ジュース!1日の食事を通して不足しやすいビタミン・ミネラルと水溶性食物繊維がしっかり摂れます。ジュースにオイルを加えることにより、カロテンやビタミンEなどの脂溶性ビタミンの吸収を高めることができますが、どのような油を使うかもポイントとなります。オリーブオイルには、抗酸化作用とともに、善玉(HDL)コレステロールを減らさずに悪玉(LDL)コレステロールを減らす効果が期待できます。また、EPADHA豊富な魚の摂取量が少ない方は、これらと同じn-3系脂肪酸であるエゴマ油や亜麻仁油をオリーブオイルの代わりに加えると良いでしょう。n-3系脂肪酸は脂肪組織の慢性炎症を抑制するとともに、n-3系脂肪酸受容体であるGPR120を介して白色脂肪細胞のベージュ化を促進することで、肥満症を抑える効果があると言われています(※1)。

人参とりんごは糖質を多めに含むので、糖質制限する人には敬遠されがちですが、朝食として考えればかなり少なめということになります。私はヨーグルトに蒸し大豆や大豆のシリアルをのせ、“ダブルタンパク質”として食べるようにしています。だだし、運動量の多い日には、むしろカロリー不足になるので、たとえばゴルフに出かける日などには、パンやおむすびなどを追加するようにしています。

※1:国立研究開発法人日本医療研究開発機構「体に優しいオメガ3脂肪酸を動かし肥満を抑える新しい脂質代謝酵素の発見」
https://www.amed.go.jp/news/release_20200506.html

子どもの栄養を考えても、ジュースが便利

ところでなぜジュースが良いのかという理由の一つに、量的な有用性があります。ニンジン2本、リンゴ半分を入れればその分だけの食物繊維やビタミンなどが、ジュースにすれば1杯で摂取できます。

例えば朝食時に子どもに野菜を出しても、残していってしまったりしませんか?また、摂れる量も種類も、とても限られてしまいます。でもジュースであれば、量がたっぷり摂れます。我が家でも、3人の子供達に毎朝野菜ジュースを飲ませて育てました。

血管年齢が若返ると見た目が若返り、モチベーションUP

血管年齢を若返らせることが大切なのは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上につながり、健康寿命が延伸できることにもあると思います。

医院を訪れてくださる患者さんの中には、血管年齢が若返ると肌がきれいになり、若返った、きれいになったという、見た目に表れる変化が、モチベーションアップにつながるという方がとても多いのです。

メタボが解消された男性が筋肉を鍛え始めることも多々ありますし、血管の動脈硬化を防ぐという生活習慣を実践してもらうと、さまざまなビジュアル的モチベーションが向上していくという姿もよく目にます。人より若く見える、血管年齢が若返ったということも励みになる。

ですから「血管からのアンチエイジング」が大切なのです。

健康寿命を延ばしましょう、と言われるよりも、元気で若々しく生きましょう。元気で若々しく居たら、健康寿命も延びていたという結果のほうが、より生活に取り入れやすい。入り口が若さでも、それが血管力になっていけばいいのです。体の中からきれいになりたいと思えば、本当に健康的にきれいになるのです。

朝ジュースを続けるためには「おいしく」が基本

朝ジュースは、続けることが大切です。そのためにはおいしく作ること。食材にこだわって、健康に良いと言われるような緑の葉野菜など、いろんなものを入れてしまいたくなると思うのですが、それだと味が少し、苦くなってしまったりします。それよりも、まずはニンジンとリンゴから入ってもらえたら、間違いないのではないでしょうか。

おいしく、を第一に、考えて、作って飲んでいきましょう。

池谷敏郎先生
##プロフィール
池谷敏郎(いけたに・としろう)

医学博士。池谷医院院長。http://www.iketaniiin.com/
東京医科大学循環器内科客員講師、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医。

1962年4月10日 東京都生まれ。

1988年、東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局し、血管、血圧の研究を行う。 1997年、池谷医院理事長兼医院長に就任。専門は内科、循環器科。現在も臨床現場に立つ。生活習慣病、血管、心臓などの循環器系の専門家としてテレビ、ラジオ、講演会など活動の幅を広げる。食事やオリジナル運動などの生活指導を丁寧に行い、患者を真の健康へ導くエキスパート。『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)、『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』(東洋経済新報社)など著書多数。