02 SUGI AKATSUKI - Gastronomic Visionary
- スギ アカツキ さん
- 食文化研究家、スーパーマーケット研究家、食育専門家、長寿美容食研究家。
東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。現在は食の専門家として、国内外の食文化やスーパーマーケット、食育の研究を進め、食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで幅広く活躍中。
ジュース作りは
クリエイティブ!
赤、白、オレンジ、紫、緑。テーブルに並ぶ色とりどりのジュース。すべてスギ アカツキさんのご自宅で作られた、オリジナルレシピのコールドプレスジュースだ。この日はさながら実験室のようにキッチンにさまざまなフルーツが並び、次から次へと手際良くジュースを作ってくれた。赤は柘榴×りんご×みかん、白は洋梨×ゆず、オレンジは柿×ゴールドキウイ×レモン、紫はブルーベリー×イチゴ、緑はバナナ×リンゴ×抹茶。スギさんにとってジュースは幼い頃から作るもの。「母が当時家にあったハンドジューサーでりんごとみかんで作るジュースを作ってくれて。兄と一緒に作った体験もすごく楽しかったんです。大人になってスムージーが流行った頃には、ブレンダーで作るスムージーを飲んでいたのですが、胃腸が弱いこともあって体の負担になり続けられず。仕事でヘルシーフードを研究する中で出会ったのがヒューロムのスロージューサーでした」。手で搾るスクイーザーをヒントに開発した、ゆっくりと回転するスクリューによって酵素と栄養素を壊さず搾り出されるジュース。消化に負担をかけず、体に吸収される実感があり、以来ずっと続いているそう。
食に関するサイエンスを大学で学び、食の専門家として国内外の食文化や現代のスーパーマーケットの動向まで幅広く研究しているスギさん。国、地域、宗教などの違いによって育まれる食文化の彩りを研究していると、食の世界のフレキシブルさ、自由さのほうに魅力を感じるという。「~でなければならない、ということは食文化にはないんです。例えば、最近でこそサラダにフルーツを使うことは日本でもよく見られるようになりましたが、以前は思いつかなかったことで。でも国が違えば昔からフルーツも素材の一つとして様々な料理に使われていたんですよね。
ジュースも同じで、果汁10 0 %でなければとこだわる方もいるけど、例えばインドではハーブウォーターとジュースを混ぜたり、イギリスでは紅茶にフルーツを入れて楽しむ“ティーパンチ”があったり。そんな自由な発想は子供に学ぶことも多くて、我が家では8歳の息子が『これとこれで作ってみようよ』と朝から一緒に作っています。抹茶入りのジュースも息子が思いついたこと。作ったジュースを飲むグラスも息子が決める係。様々な国で購入したカップやグラスから『今日はこれ』と選んでくれます」
食育としても
ジュース作りはいい経験に
食育の観点からも、ジュース作りは子どもにとっていい経験になるとスギさん 。手で 準備しながらジューサーに入れれば美味しいジュースが出来上がる、一つ一つの味が組み合わさるとまた別の美味しさになるという体験は創造力を育む。「食育の仕事をしていると、『子どもには何歳から包丁を持たせたらいいですか』とよく聞かれるのですが、私は手を使ってできる料理から作ってみたらいいと思っていて。ジュースもそうですが、手でちぎったサラダとか。そうやって一緒に作っているうちに、息子は料理好きになりました」。
体に優しい冷製スープの感覚で
素材と素材を組み合わせて
食習慣を続けるためには美味しさ、楽しさはもちろん、体質の変化に実感があってこそ。栄養学的な見地から、効果が期待できる食材を組み合わせ、摂取できるのもジュースの良さ。「抹茶の抗酸化作用で肌質が変わった実感もあるし、柘榴に豊富なビタミンCのおかげか、この5 年風邪をひかなくなりました。栄養を吸収しやすいかたちで摂取できるジュースだからこそですね」。
スーパーマーケット研究家としてのリサーチも兼ねて、スーパーをくまなく歩くことも、ジュースの可能性を広げてくれるとか。「珍しい食材も増えていますし、ナッツ類をペーストにしたり粉にしてくれるコーナーがあったり、様々な地域の塩やオイルが売られていたり。これをジュースに入れたら足りないビタミンが摂れるかもと、アイデアがわく場所です。甘いジュースにこだわらず、体に優しいスープのような感覚で捉えたら、食生活はもっとラクに、楽しくなると思います」。
※当記事の内容はあくまで個人の体験談であり、個々の患者さんとその治療に関して特定の治療法などを推奨するものではありません。治療に関してのご判断は、医療従事者とご相談のうえ、慎重におこなってください。当記事に起因する問題に関して当社は一切の責任を負いません。