トマト別名)小金瓜(こがねうり)、蕃茄(ばんか) 和名)赤茄子(あかなす)、唐柿(とうし)
ヨーロッパでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉があるほど、完熟したトマトは栄養がたっぷり。3大抗酸化ビタミンが豊富な夏の代表的な緑黄色野菜です。中南米を原産として、日本には17世紀に伝わり観賞用として珍重され、常食されるようになったのは明治時代。皮が薄く果肉の柔らかい生食に向くものから味が濃厚で加熱するとうまみ成分が増すものまで、通年食されています。[冬春トマト(11月~5月)、夏秋トマト(6月〜10月)]
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“医者いらず”
- 旬の時期
- 6~9月
- 成分と栄養素
- リコピン、β-カロテン、ビタミンC・E、カリウム、ルチン、クエン酸、ペクチンなど。近年、注目される栄養成分がトマトに含まれる赤い色素のリコピンは、カロテン類の一種でトマトの赤が濃いほど豊富に含まれます。その抗酸化作用は、βカロチンと比べると約2倍、ビタミンEの約100倍と言われています。暖かい地域原産のトマトは、低温で保存するよりも常温で追熟させるとリコピンがアップすることもわかっています。
- 期待される効果
- 美肌効果
トマトには、非常に強い抗酸化作用のあるリコピンとカロテンが含まれ、お肌の老化原因である有害な活性酸素の発生を抑えます。ビタミンCには、シミやソバカスを予防するだけでなく、紫外線によってできてしまったメラニン色素の沈着を防ぐはたらきがあります。 - 血行改善効果
トマトには、ビタミンE、ムチンが含まれ、細胞の酸化を防いで、末梢血管を拡張させて血行を良くする作用があります。動脈の硬化を防いで、高血圧や心臓病、脳卒中を予防効果が期待できるほか、肩こりや冷え性の改善に役立つとされています。 - 疲労回復促進効果
トマトに含まれるクエン酸は、胃液の分泌を促し、疲労物質の乳酸を除去する成分として効果が期待できます。またビタミンCは、免疫力も高める作用もあり、心と体の疲れをとる抗ストレスに効果的です。 - 腸内環境を整える
トマトの果皮には、整腸作用のある食物繊維のペクチンが含まれています。天然の「ゲル化剤」とも言われ、老廃物を体外に排出するのを促し、善玉菌を増やして整腸作用があります。コレステロールの吸収を抑制する作用や、血糖値の急な上昇を防ぐ効果も期待できます。 - おすすめ関連コラム
TIPS
- 色素(ジュースの色素)
- ピンク色/赤色
- 水分量
- やや少ない/やや多い
- 硬さ
- 柔らかい/やや柔らかい
- *水分量・硬さは目安です。栽培方法や気候、時期などで個体差があります。
- おすすめの搾り方
- トマトをメインで搾る場合は粗目のストレーナー(フィルター)をオススメします。トマトは柔らかく果肉の多い生食(サラダ)用として一般的ないわゆるピンク系トマトと、皮が厚く水分の多い加工用の赤系トマトやミニトマトなど種類によって搾れる水分が変わってきます。トマト単体では果肉が柔らかく濾しづらいため搾れる水分は30%から50%ほどですが、ニンジンやリンゴなど硬めの食材と搾ることで、60%(撹拌機能のあるタイプで70%)程度まで搾ることができます。食感もピンク系と赤系とで異なり、前者はスムージー風のとろみある食感、後者はサラッとした口あたりが楽しめます。
- “サンマルツァーノ”や“にたきこま”に代表される赤系トマトは日本で目にする機会は少ないかもしれませんが、リコピン濃度がピンク系の約3倍ほど高いとされていますので、機会があればお試しあれ。
また、オリーブオイルと相性が良いので、ジュースにトッピングすると、リコピンの吸収率がアップし、オレイン酸との相乗効果で、よりコレステロールを下げやすくなるようです。
トマト独特の酸味が苦手な方は、ブドウ、リンゴなどフルーツで甘みを加えると飲みやすくなります。
- ジュース以外のおすすめの食べ方
- 栄養をのがさず、加熱調理
〈まるごと食べる〉
皮に豊富に含まれるリコピンは、脂溶性なので油脂分に溶けて体に吸収されます。油を使って皮ごと炒めたり調理すると形が崩れず、リコピンの吸収率が上がると言われています。
〈皮をむいて食べる〉
調理の下ごしらえに、沸騰した湯につけてさっと火を通したり、直火にかけて炙り皮をむくことで、ソースや煮込み料理の口あたりがよくなります。 - 彩りよく味わう調理
〈生で食べる〉
栄養素が豊富な皮や種を活かしたい時は、そのままカットしてサラダや和え物などに。トマトの酸味は、魚介類や肉類の付け合わせにすると相性が良く、脂っこさを抑えられます。
監修:Hurom、ローフードマイスター 都田恵理子(みやこだえりこ:@erikomiyakoda)
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